奈良井宿(塩尻市)

奈良井宿

 中山道34番目の宿場町。木曾街道(中山道のうち、木曾谷を通る部分。広義には中山道全体を指すこともありますが、ここでは木曾谷を通る部分とします)11宿のうち最も高所にあります。
 木曾街道はもともと中山道中最も険しい道のりとされています。奈良井宿は、中山道屈指の難所とされる鳥居峠に接していることから、峠越え前あるいは峠を越えた後の旅人が休息をとる宿場町として栄えたといいます(「奈良井千軒」と呼ばれていたそうです)。宿場の長さは約1km、伝統的家屋は約200軒という規模を誇る宿場です。

 余談ですが、奈良井宿のある「塩尻市」は、塩の道(日本海側と太平洋側から信濃国に塩を運ぶ役割を果たした街道)の終点であり、そのため「塩尻」という地名となったのだそうです。

木曾福島(木曽郡)

木曾福島

 江戸時代の四大関所(他の三つは東海道の箱根と新居、中山道の碓氷)の一つに数えられる関所です。所謂「入り鉄砲出女」の取り締まりに重点が置かれていました。現在は木曽町に編入されています。
 写真に写っている石塀の上にあるのが関所跡(現在は資料館)。近隣に藤村の小説『家』のモデルといわれ、「奇応丸」の製造販売で知られる高瀬家の資料館があります。
 また、写真には写っていませんが、木曾の代官と福島関所守を務めた山村氏の武家屋敷(山村代官屋敷)、木曾三大名刹の一つであり、木曾義仲の墓がある興禅寺もあります。