伊勢神宮(神宮)は「皇大神宮(内宮とも)」と「豊受大神宮(外宮とも)」からなり、内宮は天照大御神を、外宮は豊受大御神を祀っています。
天照大御神は、当初 豊鍬入姫命(崇神天皇皇女)とともに自分が鎮座する地を探しました。そして垂仁天皇の時代に皇女・倭姫命が豊鍬入姫命に代わり天照大御神に仕え、そのとき現在の伊勢の地に鎮座したということです。伊勢に到ったとき、天照大御神は「是の神風の伊勢国は、常世の浪の重浪帰(よ)する国なり。傍国(かたくに)の可怜(うま)し国なり。是の国に居らむと欲(おも)ふ」と託宣しています。
上の写真は内宮の域内を流れる五十鈴川。五十鈴川は天照大御神が降臨したとされる場所でもあります。
神宮には内宮・外宮とも東と西に同じ広さの敷地があり、20年に一度同じ形の社殿を新たに建てます。このとき、御装束・神宝も新しくします。これが「式年遷宮」です。
式年とは定められた年限を意味し、遷宮とは新しい宮を造り天照大神に遷り願うことをいうそうです。また、式年遷宮の際に十四の別宮と内宮の宇治橋も造り替えられます。
式年遷宮は天武天皇の発意により始まり、持統天皇4年(690)に第一回が行われたそうです。戦国時代に一時中断や延期があったものの、平成25年秋に行われる式年遷宮(62回)まで、1300年以上にわたり続いてきました。
式年遷宮が20年毎に行われるのは、20年が人生の区切りであるとか、掘立柱に萱の屋根という素木造りの神宮の社殿を保つためであるとか、中国の暦学が伝わったという説などがあるようです。
式年遷宮はそのクライマックスである「御遷」に至るまでにおよそ30のお祭りと行事があり、それが8年に亘って催されます。